レクチャーハブ

学長メッセージ

最終更新日: 2020/12/24 15:07

学長メッセージ

学生・教職員の皆さんへ

 新型コロナウイルス感染症対策のため,神戸大学の第1クォーターの授業は開始日が5月7日に延期されて,すべて遠隔授業となりました.神戸大学のほとんどの教職員にとって遠隔授業は初めての経験であり,どうすれば円滑に遠隔授業を開始できるのか,どうすれば少しでも学生が学びやすい環境を作れるのか,文字通り手探りで準備を進めています.しかし,どのように工夫しても遠隔授業では通常の授業と同じように学生が学ぶことはできないでしょう.いろいろな問題や混乱が起きることも予想されます.

 新入生の諸君にとっては,教室で新たな友人と出会う機会もない,不安な大学生活の始まりになってしまいました.在学生も当たり前のことが何一つできない不自由な毎日を送っていることでしょう.しかし,授業に出ることそれ自身が,大学で学ぶことの目的ではありません.このような状況だからこそ考えられること,学べることがあるはずです.今一度,大学で学ぶことの意義や目的を考えてください.そして,十分な授業が受けられなれないとしても,その状況に甘んじたり,不満をあらわにしたりして終わりにするのではなく,自分には何ができるのか,何をすべきなのかをよく考え,学生諸君が自覚を持って毎日の学修に取り組まれることを願っています.

 遠隔授業の準備に多大な労力を払われている教職員の皆様には大変に感謝しています.ただでさえ忙しい新学期に,これまで経験のない遠隔授業を全学で一斉に開始することの負担は計り知れません.我々は今,戦争や震災に匹敵する大きな危機に向かい合っています.授業すべてが実施できなくなっても不思議ではありません.しかし,この困難な状況は,優れた人物が生まれる好機であるのかもしれません.教職員の皆様には,通常の授業と同じものを遠隔授業によって再現しようとするのではなく,限られた条件のもとでの学生諸君の学修を手助けするためには何が必要で,何ができるのかを考えて,常識や固定観念に捉われることなく,自由な発想のもとで遠隔授業の準備に取り組んでいただけたらと考えています.

 現在,神戸大学の教職員は必死に遠隔授業の準備に取り組んでいます.少しでも良いものを用意したいのですが,できることは限られています.その限られていることさえ,満足には実現できないかもしれません.そのときには学生諸君の頑張りや手助けが必要になります.この困難な状況のもと,神戸大学の教職員と学生諸君が一丸となって,どうしたら良いのか考えて,神戸大学の教育研究を進めていけることを強く願っています.

2020年4月13日

神戸大学長 武田廣